平成二十五年三月二十七日
ただいまから、予算特別委員会審査報告を申し上げます。
去る二月二十七日開会の本会議において、予算特別委員会に付託されました第四十号議案 平成二十五年度東京都北区一般会計予算ほか四特別会計予算については、三月七日、八日、十一日、十二日、十四日、二十一日及び二十二日の計七日間にわたり、区長をはじめ関係理事者の出席を求め、慎重かつ熱心に審査を行いました。
以下、審査の経過概要と結果について一括してご報告申し上げます。
一般会計において歳入歳出とも総額一千三百四十六億九千二百万円であり、対前年度増減率は一・四%増であります。
また、一般会計、四特別会計を合わせた財政規模は、総額二千八十七億三千六百十三万八千円で、対前年度増減率二・二%増となっております。
これらの状況を踏まえ、各会派代表による総括質疑をはじめとして各款の質疑が行われました。質疑の詳細については、追って会議録を作成の上、配付いたしますので、報告を省略させていただきます。
これらの質疑を経たのち、平成二十五年度東京都北区各会計予算について、各会派代表からそれぞれ討論が行われましたので、その概略を申し上げます。
まず、日本共産党北区議員団の討論について申し上げます。
我が会派は、新年度予算編成に向けて、五つの柱・四百七項目の予算要望を区長に提出した。この内、多床室を含む特養ホームの開設、住まい改修支援事業の拡充等は評価する。
しかし、以下の理由から一般会計予算に反対する。
一、消費税を一〇%とする大増税と社会保障の大後退に対し、露骨に国に従う姿勢。
二、財調基金ゼロという財政危機演出をバネにした強引な経営改革「新5か年プラン」路線の推進。
三、区民サービスを切り捨てる「北区公共施設再配置方針案」。
四、巨額の財政負担を当然として、住民の意思に反した防災まちづくり。庁舎建設のための印刷局王子工場買収が既成事実であるかの議論は、極めて遺憾。
以上の意見が述べられ、一般会計及び国民健康保険事業会計予算については反対、中小企業従業員退職金等共済事業会計ほか二特別会計予算については賛成との態度の表明がありました。
次に、自由民主党議員団の討論について申し上げます。
景気回復の期待が高まる中、新年度予算案は、待機児解消と保育サービス拡充の少子化対策、教育先進都市北区の施策充実、地域見守り活動の強化などの高齢者対策、避難所運営標準マニュアルの策定などの具体的な震災対策、各事務事業のスリム化、区保有施設再配置の推進、歳入の確保など、限られた資源を重点的・効率的に配分している点は評価する。
しかし、以下指摘・要望する。
地域防災計画を活用した実践的な制度の構築。高齢者実態把握調査を生かした見守りの拡充。待機児童を出さない子育て施策とファミリー世帯に魅力あるまちづくり。十条駅、王子駅周辺のまちづくり推進。新庁舎計画の早期推進。目的基金の計画的な積み上げ。持続可能な財政運営。
以上の意見要望が述べられ、各会計予算について、いずれも賛成との態度の表明がありました。
次に、新社会党議員団の討論について申し上げます。
財政が厳しくなった根本の原因を正さなければ悪化の状態は続き、そのしわ寄せは経済的に余裕のない者にのしかかっていく。このような状況下で、経済的に余裕のない者を生み出す施策は取るべきではない。それは、区の進める外部化、指定管理の推進であり、現場で働く人たちを守るルールが作られていない状況で、指定管理等の外部化の推進は、経済的に余裕のない者を生み出すことになる。
また、国保料については、中・低所得者層への負担増大が続く一方で、高額所得者層の負担は軽い。これを正さなければいけない根本の原因として捉え、区は区民に最も身近な基礎自治体として、国・都に強く求めていくべきであり、国保料の値上げには反対する。
以上の意見要望が述べられ、一般会計及び国民健康保険事業会計予算については反対、中小企業従業員退職金等共済事業会計ほか二特別会計予算については賛成との態度の表明がありました。
次に、公明党議員団の討論について申し上げます。
新年度予算は、避難所機能の強化、密集市街地整備促進事業、集中豪雨対策、地域包括ケアの推進、地域見守り活動等の促進、おたふくかぜ等の予防接種費用助成、放課後子どもプランの実施、防災教育、いじめゼロに向けた取組み等、我が会派が求めてきた内容が取入れられたことを高く評価する。
我が会派は新たなる都市モデルを創造していくのであれば、区民への説明責任を果たしながら公共施設の複合化や廃止等の大胆な見直しも実施すべきと考える。
よって、以下要望する。
官民連携によるゼロ予算事業の実施、新しい視点での経営改革、実効性ある事務事業の選択と集中、区立幼稚園や学校の空き教室等を利用した緊急的な保育所待機児解消策、風疹予防接種費用助成。
以上の意見要望が述べられ、各会計予算について、いずれも賛成との態度の表明がありました。
次に、民主あすか区民クラブの討論について申し上げます。
一般会計予算は、各分野に重点的・効率的に配分されたが、「地震・水害に強い安全・安心なまちづくり」、「長生きするなら北区が一番」、「子育てするなら北区が一番」につき、今後も事業の推進・拡充を図っていかなければならない。子育て世帯に配慮した支援策、高齢者福祉サービスの総合的な施策の推進、将来を見据えたまちづくり対策、防災震災対策の対応を評価する。
以下要望する。
一、不要不急の事業や費用対効果の薄い事業の見直し強化。
二、「防災に強い北区」を目指した事業の着実な実施。
三、十条まちづくりの推進。
四、庁舎改築への慎重な対応。
五、ICTを利用した事業導入の積極的な検討。
六、庁内からのワーク・ライフ・バランス拡充推進と発信。
以上の意見要望が述べられ、各会計予算について、いずれも賛成との態度の表明がありました。
最後に、みんなの党議員団の討論について申し上げます。
新年度予算は前年度比一・四%増の反面、依然として厳しい財政運営を迫られるが、事務事業の見直し等積極的な経営改革に取組み、「区民とともに」の基本姿勢の下、三つの優先課題に重点的・効率的に配分し、少子高齢化への対応、災害緊急対策への取組みは評価する。
しかし、区財政の構造的諸課題は解決されておらず、財政基盤の充実を一層推進すべきであり、区民生活への影響を懸念する必要があるにも関わらず、供給者サイドに立った現状維持の施策は残念である。今後は積極的な行政の関与と消費者目線での改革、職員の区財政の危機的状況と中長期的な行財政課題の認識、区民の期待に応えた区政発展への挑戦、そして、区民一人ひとりが自立できる環境の整備を要望する。
以上の意見要望が述べられ、各会計予算について、いずれも賛成との態度の表明がありました。
討論終了後、まず議論の分かれた第四十号議案及び第四十一号議案を一括して起立により採決を行いましたところ、賛成多数をもって、いずれも可決すべきものと決定しました。
次に、第四十二号議案、第四十三号議案及び第四十四号議案を一括して採決を行いましたところ、全会一致をもって、いずれも可決すべきものと決定しました。
以上で予算特別委員会審査の経過概要と結果についての報告を終わります。
最後になりましたが、宮島(みやじま) 修(おさむ)副委員長をはじめ、委員並びに理事者各位のご協力に対し、心から御礼申し上げまして、委員会審査報告の結びとします。
ご清聴ありがとうございました。